みやこ映画生協・被災地での無料巡回上映会 〜 映画の力で、心の支援を
2011年9月14日
みやこ映画生協理事 シネマリーン支配人
櫛桁 一則さん
〜みやこ映画生協とは、市民活動によって生まれた日本で唯一の「映画の生活協同組合」です。そして、「みやこシネマリーン」は、岩手県沿岸部唯一の映画館として人々の憩いの場になっています。〜
◇映画館に来られないなら、映画を持っていこう
2011年3月11日、未曽有の震災、大津波に襲われた宮古市。みやこ映画生協の映画館が入っている、いわて生協の店舗「マリンコープDORA」は被害を免れ、映画館も大きな被害はありませんでした。しかし、市内の現状を目の当たりにし、『こんな時に映画なのか…』と営業を再開すべきか悩む中、組合員から「子どもが楽しみにしています」という問い合わせを何件かいただきました。
「そうか、毎年恒例の“春休み映画”を待っている子どもたちがいる。こんな時だからこそ、映画だろう」と、3月26日に映画館の営業を再開しました。久しぶりにスクリーンに映し出された映画に、家族連れからは「再開してくれてありがとう」という言葉もいただき、職員一同感激しました。
しかし、映画館に来られる人は一握り。被害の大きな地域では、映画どころではない状況です。テレビをつければ震災特番ばかりで、大人でも滅入ってしまう映像の数々を見ながら、子どもたちはどうしているのだろう…と考えるようになりました。
映画館に来られない状況なら、いっそ映画を持って行こう!つらい現実の日々、ほんの2時間でも楽しい時間〈映画〉をプレゼントしたい。全国からの支援で食料などは行き届いてきていた折、『映画でお腹を満腹にはできないけれど、心は満腹にできる』と思い、動き出しました。